NOTICE
お知らせ・ニュース

2025.5.14

消費税減税論、各党の見識が問われる時

今回は、物価高騰が続く中で注目される「消費税減税論」について、最新の議論動向と課題を整理し、皆さまにわかりやすくお伝えします。

 

消費税減税をめぐる現状と各党の主張
今年夏の参議院選挙を控え、消費税減税を求める声が与野党で高まっています。野党各党は、国民民主党が「一時的に消費税率を一律5%に引き下げる」、立憲民主党が「食料品の税率を1年間0%にする」、日本維新の会も「食料品の税率を2年間0%に引き下げる」といった具体的な減税策を掲げています。これらは物価高や米国の関税措置による経済的負担を軽減するための政策として注目されています。
一方、与党内では公明党が減税に前向きな姿勢を示し、自民党内でも参議院議員を中心に食料品の軽減税率引き下げを求める声があるものの、政府や自民党執行部は「消費税は年金・医療・介護など社会保障の重要な財源」として減税に慎重です。石破首相も「次の時代に責任を持つ」として、財政の持続可能性を重視しつつ、困窮層への的確な支援策を検討する姿勢を示しています。

 

財源問題と社会保障の維持
消費税収は年間約20兆円規模で、その大半が社会保障費に充てられています。減税を実施すると数兆円から十数兆円規模の財源不足が生じ、国債発行などで補う必要が出てきますが、これが将来世代への負担増加につながる懸念があります。共産党は大企業や富裕層への課税強化で財源確保を主張しますが、多くの専門家は持続可能な社会保障制度の維持には慎重な議論が必要としています。

 

国民生活支援と将来世代への責任
消費税減税は物価高に苦しむ国民の家計支援として即効性がありますが、短期的な景気対策と長期的な財政健全化・社会保障維持の両立が求められています。減税が選挙対策の「バラマキ」とならないよう、各党の責任ある見識が問われる局面です。
政府は減税の代替策として、全国民への現金給付や的を絞った支援策も検討しており、給付金と減税の組み合わせも議論されています。私も兵庫県議会議員として、地域の皆さまの暮らしを守りつつ、将来世代に負担を残さない持続可能な社会保障制度の実現に向けて、冷静かつ丁寧な議論を進めてまいります。
今後の議論の行方が国民生活に大きく影響するため、皆さまと一緒にしっかり見守り、地域の声を県政に届けてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
(本記事は2025年5月13日付の読売新聞社説および関連報道をもとに作成しています)