こんにちは、神戸市北区選出の兵庫県議会議員、大塚公彦です。
近年、ふるさと納税制度をめぐり、全国の自治体間で寄附の獲得競争が一段と激しくなっています。
地域の特産品や独自の取り組みが注目を集める一方で、都市部の自治体では税収の流出が課題となっています。
神戸新聞の報道によりますと、神戸市は流出も大きい一方で受け入れも多く、実質赤字は約7千万円にとどまったと
報じられています。
(実質赤字とは、ふるさと納税の受入額から返礼品や事務経費、他自治体への流出分などを差し引いた
ネット収支を指します)
● 地方創生の原点と現在の課題
ふるさと納税は、本来「地方創生」や「地域間格差の是正」を目的に創設された制度です。
しかし近年は、返礼品競争の過熱により、地域の特色づくりよりも寄附集めの手法が注目される傾向も見られます。
県内では、芦屋市が約11.6億円、西宮市が約8.21億円の実質赤字とされ、都市部で流出が目立ちます。
一方で、神戸市は受入と流出が拮抗し、実質赤字は小幅(約7千万円)にとどまっています。
さらに、1人当たりの赤字額では芦屋市が特別区を除く全国でトップ水準(約1万2356円)と示され、都市型自治体が抱える構造的な課題が浮き彫りとなりました。
こうした状況を受け、自治体から制度運用の見直しを求める声が上がっていることも報じられています。
財源の偏在化をどう是正し、地方と都市がともに発展する制度とするかが問われています。
● 神戸市の新たな挑戦と地域の可能性
一方で神戸市では、こうした課題に対応すべく、市内の観光・企業連携による体験型返礼品の拡充を進める動きが見られます。
たとえば、神戸の自然や食、ものづくりの魅力を体験として発信する寄附メニューの開発が進行中です。
(西宮市では「1日市長体験」などユニークな体験型返礼も導入されており、各地で創意工夫が広がっています。)
私自身も、北区をはじめ地域の皆さまと連携し、神戸ならではの魅力を生かしたふるさと納税の形を追求してまいります。
制度を通じて、地域経済の活性化と「ふるさとを思う心」の循環を生み出していくことが大切だと感じています。
最後に、ふるさと納税が「都市と地方を分ける制度」ではなく、「全国の地域がともに支え合う制度」として発展していくよう、県政の現場から引き続き働きかけてまいります。
(出典:神戸新聞)