
先日、地元である神戸市北区の重要なインフラである「ため池」について、地域の代表者の皆様、
そして神戸市、兵庫県の関係者と共に、現地視察と意見交換を実施しました。
兵庫県は、全国でも突出してため池が多く、その数は農業を支える基盤であると同時に、
老朽化対策や防災上の課題として、私たち行政に重い責務を課しています。
◆ 神戸市北区の溜池が抱える現状
神戸市北区も例外ではなく、多くのため池が点在しています。特に、長年の使用による老朽化、土砂の流入、
周辺構造物(道路や水路)との接点での問題が顕在化しており、地域の生活環境と安全確保の観点から、対策は急務です。
しかし、全てのため池を一度に国の防災重点事業として整備するのは、予算や優先順位の制約から困難です。
被害想定が極めて大きい池から優先されるため、地元の切実な声が、すぐに事業化に結びつかないケースも発生しています。
◆協議で確認した具体的な方向性
今回の議論では、以下の点を深く掘り下げ、今後の連携の方向性を確認しました。
1. 優先順位の再検討と地域の声の反映:
形式的な被害想定だけでなく、地域の歴史的経緯や実情を踏まえた上で、優先的に取り組むべき課題を共有しました。
2. 既存支援制度の徹底活用:
国の重点事業化が難しい場合でも、神戸市や兵庫県が設けている補助制度(特に、改修工事への支援率が高いもの)を
積極的に活用し、地元の主体的な維持管理を強力に後押しします。
3. 道路と溜池の管理責任の明確化と連携:
道路下の水路や吐き出し口など、複数の管理者(道路公社、ため池管理者など)が関わる構造物について、
それぞれの責任範囲を明確にし、修繕・改修における共同作業の枠組みを構築します。
特に、水みちによる地盤への影響など、専門的な知見が必要な部分での行政による技術支援を強化します。
◆ 持続可能な未来のために
ため池は単なる貯水施設ではなく、地域の景観、生態系、そして何よりも人々の安全を支える大切な財産です。
私たちは、行政として、地域の皆様と連携し、支援制度の改善や技術的なサポートを通じて、
このインフラを持続可能な形で守り育てていく責任があります。
今回の視察と協議で得られた知見を基に、具体的な政策実行に向けて全力を尽くします。