AIの進展とともに、その基盤となるスーパーコンピューター(スパコン)の重要性が高まっています。理化学研究所は国産スパコン「富岳」の後継機「富岳NEXT」を開発中で、2030年頃の稼働を目指しています。これにより日本の科学技術研究や産業競争力が大きく前進します。
次世代スパコンが拓くAIと産業の未来
最先端技術では膨大なデータを効率的に処理する力が求められます。スパコンは従来数日かかったシミュレーションを大幅に短縮し、「富岳NEXT」では富岳比5倍以上の性能向上を掲げています。AIとシミュレーションの融合を重視し、生成AI、創薬、気象予測、自動運転など幅広い分野での活用が期待されます。
またGPU活用では、理研・富士通・NVIDIAの国際連携が発表され、省電力化と高性能化を両立。国内企業やスタートアップとの協力でエコシステム形成も進む見通しです。
産学官連携と人材育成
次世代スパコンの活用には大学や研究機関との共同研究が不可欠です。理研は共用基盤の拡大を進め、若手研究者や博士課程の学生が最先端環境で学べる体制を整えています。スタートアップや中小企業にも利用しやすい仕組みを広げ、日本全体のイノベーション力を底上げします。
整備場所は神戸市ポートアイランドの理研神戸地区隣接地とされ、富岳からの移行や地域の研究集積強化にもつながります。地元にとって研究・産業両面で大きな機会となる計画です。
おわりに
次世代スパコンは「AI立国」を目指す日本に不可欠な存在です。国家プロジェクトが地域の子どもたちに夢を与えることを願い、今後も科学技術と人材育成を後押ししてまいります。