今回は日本の農林水産物の輸出拡大と、その基盤強化についてお伝えします。
● 生産基盤強化は地域経済と安全保障の要
政府は農林水産物・食品の輸出額を「2025年に2兆円、2030年に5兆円」と目標を掲げています。2025年1〜8月の累計は約1兆5,800億円と過去最速のペースです。背景には日本産食品への国際的評価の高まりと、アジア諸国の人口・所得増があります。こうした追い風を成果へつなげるには、生産基盤とサプライチェーンを強化し、価格や為替変動にも揺るがない供給体制と安定した生産者所得の確保が欠かせません。
● 輸出先の多様化と販路拡大が鍵
米国・中国に加え、ASEAN、欧州、中東など新興市場を品目別に開拓することが重要です。神戸港など県内物流拠点を活かし、定温管理・検査体制の充実やリーファーコンテナ確保に取り組みます。また、各国の残留基準(MRL)や表示・承認制度への対応、トレーサビリティ整備により、品質と量の両面で選ばれる輸出力を高めます。
最後に、農林水産物の輸出促進は日本の農業を守り、地方経済を活性化する機会です。神戸市北区の自然と農林業の知恵を活かし、国の戦略と連携して基盤強化と質的拡大を進めます。