神戸新聞(2025年2月23日付)の記事で取り上げられた「2馬力選挙」について、私見を述べます。
● 「2馬力選挙」とは
記事によれば、「2馬力選挙」とは、自らの当選を狙うのではなく、別の候補者の当選支援を目的に立候補する手法を指します。昨年秋の兵庫県知事選では、党首が候補者を後押しするために出馬し、その演説がSNSで拡散されたことで、結果的に支援対象の当選に寄与した事例が報じられています。
● 現行制度の課題
現行の公職選挙法では、この手法に対する明確な規制が整っていません。兵庫県選挙管理委員会は、今後同様の事例を防ぐために総務省へ法整備を要望しており、国会でも法改正の必要性が議論される可能性が示唆されています。
選挙は、有権者が候補者の資質や政策を正当に評価し、適切に投票できることが大前提です。しかし、特定候補者を有利にする目的だけで立候補し、意図的な宣伝活動が常態化すれば、公正性が損なわれる恐れがあります。今後、制度の見直しを進め、誰もが安心して候補者を選べる環境の整備を期待します。